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英語の省略とは?

省略とは、単語を短くすること。小さいスペースにたくさんの情報を詰め込めるため、省略された単語は文章を書くときにとても便利だ。また、長ったらしい、書くのが面倒くさいようなフレーズを省略すれば、文章が読みやすくなる。
省略について覚えておくべきことは、単語によってあまり丁寧でなく、くだけた印象を与えてしまうことだ。公式で格式張った文章を書いているのであれば、省略はせず、全てスペルアウトしたほうがいいだろう。
もう一つ覚えておくべきなのは、省略された単語の意味が、必ずしも読者に通じるとは限らないということ。もし、見慣れない省略を使うのであれば、初めて書く際に何を意味しているのかを説明するようにしよう。
頭字語とイニシャル語

省略には、いくつかの種類がある。頭字語とイニシャル語のどちらも、長い名前やフレーズの一つ一つの単語の最初の文字を組み合わせて作られる。通常、ほかの単語と見分けやすくするために、頭字語やイニシャル語は全て大文字で書かれる。
頭字語は、一つの単語として発音される。例えば、NASAは、National Aeronautics and Space Administration (アメリカ航空宇宙局)を意味する頭字語で、「ナサ」と発音される。
また、一般に普及しすぎて、もはや頭字語として認識されなくなってしまうことも時折ある。例として挙げられるのは、scuba(self contained underwater breathing apparatus; 自給気式水中呼吸装置-スキューバ)やlaser(light amplification by stimulated emission of radiation; 輻射の誘導放出による光増幅-レーザー)など。
イニシャル語も頭字語と同じく、長いフレーズの一つ一つの単語の最初の文字を合わせて作られた単語。しかし、頭字語とは違って、アルファベットの文字の一つ一つで発音される。例えば、NFL(National Football League)は「エヌ・エフ・エル」と発音される。



丁寧な称号や学位

称号(mister、miss、doctorなど)や学位(bachelor of artsやdoctor of philosophy)などはほぼ毎回省略される。アメリカ英語では、省略された称号の後にはピリオドが打たれるが、イギリス英語ではピリオドは使われない。
最も一般的に使われる称号の省略形の例:
- Mr. = Mister
- Mrs. = Mistress
- Ms. = Miss
- Sr. = Senior
- Jr. = Junior
- Dr. = Doctor
アメリカ英語の例:Mr. Green asked Ms. Grey if she had met Dr. Jekyl.
イギリス英語の例:Mr Green asked Ms Grey if she had met Dr Jekyl.
最も一般的に使用される学位の省略形の例:
- B.S. = Bachelor of science(理学士号)
- B.A. = Bachelor of Arts(文学士号)
- M.A. = Master of Arts(文学修士号)
- M.B.A. = Master of Business Administration(経営学修士号)
- Ph.D. = Doctor of Philosophy(博士号)
学位の場合、ピリオドは使っても使わなくてもいい。どちらか一つの形式を選んでそれも毎回使うようにしよう。学位が称号として使用される場合、その人の名前の後にコンマとともに使われる。
Molly Beagle, Ph.D., runs the canine cognition lab at Stanford University.
ラテン語の省略

英語の文章が書かれるときに、たまにラテン語由来の省略が使われる。ラテン語の省略を使用する際は、ピリオドを使おう。
- e.g. = exempli gratia
「例えば」という意味で使われる。特定の例を挙げたいときにe.g.を使おう。
例:We expect volunteers from many surrounding cities, (e.g., Springfield, Oakdale, Hogsmeade.)
- i.e. = id est
「つまり」という意味で使われる。言及されたものについてより細かい情報を付け加えたいときにi.e.を使おう。
例:After a reasonable amount of time has passed—i.e. two business days—please report the missing shipment to our customer service department.
- etc. = et cetera
すでに日本語でもお馴染みのエトセトラ、「〜など」といった意味で使われる。リストの一部分を挙げるときに使おう。
例:You should see the doctor when you have flu-like symptoms (fever, chills, etc.)
そのほかの一般的な省略
以下は、英語でよく使用されるそのほかの省略の例だ。
省略された単語は毎回統一されているわけではないということを覚えておこう。例えば、Thursdayの省略型としてThurs.を勧めるものもあれば、Thu.を勧めるものもある。
同様に、ピリオドを使わないように勧める場合もあるが、ピリオドを使っても間違いではない。よって、ピリオドを使うか使わないべきか迷った時は、ピリオドを含めたままにしておくと無難だ。
時間や日付
- a.m. (ante meridiem) = 午前
- p.m. (post meridiem) = 午後
例:The mall opens at 10 a.m. and closes at 8 p.m.
- 月: Jan., Feb., Mar., Apr., May, Jun., Jul., Aug., Sep., Oct., Nov., Dec.
例:I was born on Nov. 6, 1980.
- 曜日: Mon., Tues., Wed., Thurs., Fri., Sat,. Sun.
例:The class will run Mon.-Fri. next week.
場所
- U.S. (United States: アメリカ合衆国)
- U.K. (United Kingdom: イギリス連邦)
- E.U. (European Union: ヨーロッパ連合)
- U.A.E. (United Arab Emirates: アラブ首長国連邦)
例:The U.S. highway system seems enormous to visitors from the U.K.
尺度の単位
- in. (inches: インチ)
- ft. (feet: フィート)
- lbs. (pounds: パウンド)
- mm. (millimeters: ミリメートル)
- cm. (centimeters: センチメートル)
- m. (meters: メートル)
- mg. (milligram: ミリグラム)
- g. (gram: グラム)
- kg. (kilogram: キログラム)
例:My cat weighs 10 lbs., which is about 4.5 kg.
短縮とは?

短縮形とは、単語、もしくは一群の単語が短縮されたもので、特定の文字や音を取り除く。ほとんどの短縮形で、取り除かれた文字を示す役割を果たすのはアポストロフィ。
一番一般的な短縮形は、動詞や助動詞、法助動詞が他の動詞にくっついているときに使われる。例としては、He would=He’d、 I have=I’ve、 They are=They’reや、You cannot=You can’tが挙げられる。
短縮形 | 未短縮 | 例 |
-n’t | not | Isn’t (is not), hasn’t (has not) |
-‘re | are | They’re (they are), we’re (we are), you’re (you are) |
-‘d | had, would | She’d (she had, she would), I’d (I had, I would) |
-‘ll | will | We’ll (we will), you’ll (you will) |
-‘s | is | He’s (he is), it’s (it is) |
I’m | I am | |
let’s | let us |



その他の短縮形

ある特殊な種類の話し言葉を表したいときに、時折あまり一般的でない短縮形が使われる場合がある。
「something」のgが発音されない場合を表すためにsomethin’と書かれるときもある。また、詩などでeverの代わりにe’erと書かれていることを目にするかもしれない。米国南部の話し言葉では、you allの短縮形であるy’allが典型的に使われる。年代の名前も短縮されて、the 1960sと言うよりthe ’60sと言われることが多い。
ほかにも、gonna(going to)やwanna(want to)などの、アポストロフィなしで書かれる短縮形も存在する。
短縮形を使用するべき場合
短縮形は普通だけれど、比較的カジュアルな場面で使用される。公式な文章を書いているときには短縮形はできるだけ避けよう。



終わりに
