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直喩

例:Life is like a box of chocolates: you never know which one you’re going to get.
この例を使って、直喩がどのようなものか理解しよう。
- 直喩は、描写するのに比較を使用するフレーズのこと。例えば、「人生」は「箱入りのチョコレート」に似ているというふうに描写できる。
- LikeやAsといった単語を比較の文章で見かければ、すぐに直喩であることを見極められる。
- 直喩は比喩のひとつだが、暗喩とは違ったものだ。
- 直喩は、文章を楽しく、思いがけないものでいっぱいにするため、有名な作家やスピーチにとっては便利。
直喩とは何か?

重要ポイント
直喩とは、形象的な種類の言語で、AsやLikeといった言葉で、ひとつのものを別のものに例えることで描写すること。
この定義を知る以前に、すでに直喩を見かけたこともあるだろう。例えば、
I know that definition like the back of my hand.
Those two are as different as night and day.
He stood out like a sore thumb.
That answer is as clear as mud.
Grandpa has a memory like a sieve.
The mouse is as dead as a doornail.
直喩は、文章をより鮮やかで興味深いものにする。下記の3人の著名な作家の例を見てみよう。
ウィリアム・シェイクスピア
O, she doth teach the torches to burn bright! Her beauty hangs upon the cheek of night, Like a rich jewel in an Ethiop’s ear…”

ウィリアム・ワーズワース
I wandered lonely as a cloud that floats on high o’er vales and hills.

ラングストン・ヒューズ
What happens to a dream deferred? Does it dry up like a raisin in the sun? Or fester like a sore— And then run?

文章の中の直喩

上記の3つの例は、詩的な感じになっている。しかし、直喩は、少ない言葉で鮮やかなイメージを描き日常的な文章を高めるためにも使われる。例を見てみよう。
Lois walked across the room with purpose.
Lois moved across the room like a warship sailing into battle.
最初のセンテンスは、比較的つまらない。
しかし、2つめのセンテンスは直喩によって、読者に、軍艦が戦闘に向かうところを思い浮かべさせる。つまり、荘厳で決然とし、誇り高く、少し危険性を帯びた感じを出している。
Loisが堂々として印象的な人物であることが伝わってくるし、部屋の反対側に着いたときに何か大切なことをしようとしているということを示唆している。
直喩と誇張

直喩はよく誇張のために使われる。
He runs as fast as lightning.
She’s as sweet as honey.
You sing like an angel.
直喩は比較の特定の側面に焦点を当てるため、誇張の文章も、過度な印象を与えない。この2つの例を見てみよう。
Dirk’s a mean snake.
Dirk’s as mean as a snake.
最初の例は暗喩だけれど、ぶっきらぼうで幼い印象を与えてしまいかねない。2つめの例は直喩で、意地の悪さという、Dirkが蛇と共有する特性を明確に強調している。
形象的なことばは、文章を興味深くし、想像的な印象を与えるのに使われる。次に何かを描写するのにふさわしい単語を思いつくのに苦労したときは、直喩を使うことを検討しよう。
暗喩

暗喩は、物体や行動を描写する比喩的表現方法で、文字通りに本当ではないけれど、概念を説明したり比較をしたりするのに使われる。
暗喩の基本はこちら。
- 「AがBである」というふうに述べる。
- この2つのものを同等に扱うのは、実際に同じであるからではなく、比較や象徴のためだ。
- 暗喩を文字通りに解釈してしまうと、とても変に聞こえてしまう。
- 暗喩は詩や文学、そして言葉に鮮やかさを加えたいときに使用される。
「a black sheep」、「get cold feet」、「 love is a highway」といった表現はすべて暗喩だ。単語や句が形象的に使われている。実際に羊だったり、冷たい水に足を突っ込んでいない限り、抽象的な概念を鮮やかな言葉で伝える暗喩なのだ。
暗喩の定義と例

暗喩の定義を見てみよう。
- ひとつのものを表す単語や句が、他のものを表すために使われる。似ているということを示すためだ。
- 物体や行動、概念が他のものの象徴として使われる。
暗喩は比喩的表現方法のひとつで、文字通りの定義とは別のものを表す単語や表現だ。暗喩の場合は、文字通りの解釈をしてしまうと奇妙な感じになってしまう。例えば、以下の暗喩が文字通りだったら・・・と想像してみよう。
Love is a battlefield.
Bob is a couch potato.
Baby, you’re a firework.
I am titanium.
デートに甲冑を着て行ったり、ソファの上で寝転んでいた芋のようなボブの姿を想像してみれば、単に「恋愛は難しいものだ」や「ボブは怠け者だ」と言うよりも、暗喩を使ったほうが結果として人や物事の描写が強い印象を持ったものになるということがわかるだろう。
暗喩は文学、詩、音楽、文章など様々な場面で使用されるだけでなく、スピーチでも使われる。もし「metaphorically speaking(比喩的に言って)」と誰かが口にすれば、言われたことを文字通りに解釈してはならないという意味だろう。
例えば、期末試験の時期になって、試験の後に生徒が「That test was murder.」と言ったとしよう。その生徒はまだ生きていて、テストについての感想を述べているだけだと考えるのが妥当だろう。よって、暗喩的、形象的な表現の例なのだ。
暗喩を使えば、言葉をより生き生きとさせる。しばしば、主語をより親しみやすくしたり、複雑な概念をより理解しやすくしたりできる。イメージを使うことで、文章を高めるのにとても便利であったりする。暗喩は、小説や映画、大統領のスピーチやポップソングまで、いろんな場面で使われる。
以下の有名な暗喩の例を見てみよう。
例1
All the world’s a stage, and all the men and women merely players. They have their exits and their entrances.
William Shakespeare
例2
America has tossed its cap over the wall of space.
John F. Kennedy
例3
Chaos is a friend of mine.
Bob Dylan
例4
A good conscience is a continual Christmas.
Benjamin Franklin
例5
You ain’t nothin’ but a hound dog, cryin’ all the time.
Elvis Presley
直喩VS暗喩

重要ポイント
直喩と暗喩は両方、比較をしひとつの概念を説明するために使われるが、同じではない。
LikeやAsを使って比較をし「AがBのようである」のように表す直喩に対し、暗喩は「AがBである」ということを述べる。直喩と暗喩の違いを理解することが大事だ。
この2つの比喩の方法を比較するため、下記の例を見てみよう。
直喩:Life is like a box of chocolates.
暗喩:My life is an open book.
直喩:That baby is as cute as a button!
暗喩:Baby, you’re a firework.
様々な種類の比喩

比喩的表現方法としての暗喩の定義をもう一度考えてみよう。
例として、歌で有名な「You are my sunshine.」という表現を考えてみよう。実際に一筋の光ではないかもしれないけれど、同じように元気づけるような効果を持つ人のことを歌っているんだろう。象徴的なものはすべて比喩として理解される。
文学では、いろいろな種類の比喩が存在する。
暗示された比喩
ポイント:「AはBである」という形ではなく、含蓄によって、より洗練され緻密な種類の比較ができる。
以下の2つの文章を見てみよう。
Jordan got his courtship cues from the peacock.
In a room full of ladies, Jordan simply fans his feathers.
どちらのセンテンスも、Jordanは孔雀に例えられている。
最初のセンテンスでは、孔雀がすぐに言及されているため、比較としては明白だ。しかし、2つめのセンテンスでは、羽根を扇子のように広げるという孔雀特有の行動を彼の行動と比較することで、Jordanが孔雀であるということが暗示されている。
Jordanが実際に羽根を生やしているということを言っているのではなく、女性の注目を浴びたいがために見栄っ張りで、ちゃらちゃらした感じの行動を取っているということを表している。

持続した比喩
ポイント:持続した比喩とは、複数のセンテンス、場合によってはパラグラフに渡って持続して使用される比喩のこと。長めの文章のなかで使用され発展するため、持続した比喩は、強く鮮明なイメージを読者に思い浮かべさせる、文学における力強い道具となりうる。この種類の比喩は、歌や詩においてよく使用される。シェイクスピアの有名な例としては、複数の台詞でロミオがジュリエットを太陽に例える。
But soft! What light through yonder window breaks? It is the East, and Juliet is the sun! Arise, fair sun, and kill the envious moon, Who is already sick and pale with grief.
死んだ比喩

ポイント:死んだ比喩とは、日常的に使われすぎてマンネリ化し、イメージが力を失ってしまった場合の比喩だ。死んだ比喩の例としてあげられるのは、「raining cats and dogs」、「throw the baby out with the bathwater」、「heart of gold」など。
生きている比喩には、新鮮なイメージが使用されるため、想像するのも楽しい。しかし、死んだ比喩では、イメージが既に背景と化している。死んだ比喩を使いすぎると、読者が興味を失ってしまう。そんな失敗を侵さないために、もっと斬新なイメージを使用するか、日常的に使われる比喩の新しい使用方法を考えてみよう。


混ぜ合わさった比喩に気をつけよう。
死んだ比喩を避けたほうがいい理由として、混乱されやすいということも挙げられる。
ポイント:関連性のない比喩が混ぜ合わされることがある。
例:Let’s get all our ducks on the same page.
(「get our ducks in a row」(準備を整えよう)と「get on the same page」(共通の理解を持たせる)が合体してしまった例。)
混ぜ合わさった比喩は、時として面白いものになる。Yogi Berraは、様々な比喩を組み合わせて、一瞬戸惑わせるような、しかし意味がわかるような、混ぜ合わさった比喩を作り上げ、人々の笑いを誘った。
例:Even Napoleon had his Watergate.
しかしもし笑いをとりたいわけではないのであれば、比喩を混ぜ合わせるのは避けよう。ぎこちない印象を与えてしまったり、意味がきちんと伝わらなかったりするからだ。
比喩を考えつくには?

想像力さえあれば良い比喩を考えつくのは簡単だ。文字通り捉えにくいものを表すのによく使われるのが比喩だということを覚えておこう。
「rule with an iron fist」を例に考えてみよう。実際に鉄の手をした人物を探し出すのは大変だ。しかし、比喩を解釈し、政治の世界で弾圧的な人物のことを表しているんだと理解するのは簡単だ。
ポイント:自分自身で比喩を思いつこうとするときは、人々が慣れ親しんだ概念で、かつあまり比喩には使われないものを使用しよう。
例:It’s been a real circus at home since Mom went on vacation.
普通、家のことをサーカスだとは言わないが、このセンテンスによれば、母親が家にいないと荒れて、刺激的で、混沌とした様子を表している。
文章を書いている最中で、もっと活気を出したいと思ったときは、比喩をうまく使って生き生きとしたものにしてみよう。




終わりに
